QUANMATIC

Press Release 2024年11月13日
ゲート式量子コンピュータ向けのアルゴリズム研究開発を本格化します

早稲田大学戸川研究室とユースケース創出の足がかりとなる初期成果を発表

量子計算技術の社会実装を推進している株式会社Quanmatic(クオンマティク、本社:東京都新宿区、代表取締役:古賀 純隆、以下Quanmatic)は、情報工学分野、量子計算分野アルゴリズム開発の第一人者である早稲田大学戸川研究室と共同で、ゲート式量子コンピュータ(※1)向けのアルゴリズム研究開発を本格化します。戸川研究室が持つアルゴリズム開発の専門性と、量子計算技術・古典計算技術による数理最適化技術のエキスパートであるQuanmaticの豊富な知見を組み合わせることで、ゲート式量子コンピュータの早期社会実装を目指します。

昨今の量子コンピューティング分野では、実用化に向け、様々な用途に応用できる「誤り耐性のある汎用量子コンピュータ(FTQC)(※2)」の実現が期待され大きな注目を集めています。一方、ゲート式量子コンピュータの実現に向けては、ハードウェア性能の課題に加え、適切なユースケースの探索が続いています。現在、企業や大学において、量子機械学習や量子科学計算などの様々な応用例が研究されています。

Quanmaticは、実用化の第一歩として、最適化計算を想定しており、今回の共同開発において、既に初期的な研究成果を得ることができました。本成果については、2024年11月14日(木)に開催される、電子情報通信学会において発表いたします。

今後も、Quanmaticは、ゲート式量子コンピュータ向けのアルゴリズム開発をはじめ、既存アルゴリズムの計算パフォーマンス向上や、戸川研究室との共同研究による新たなアルゴリズムの開発・実装を推進し、量子計算技術の可能性をさらに拡大してまいります。

(*1)量子コンピュータは、量子力学の性質を利用して特定の計算を古典コンピュータより高速に解く可能性を持ち、組み合わせ最適化や量子化学計算などへの応用が期待されています。特にゲート式量子コンピュータは、大規模な数値計算、素因数分解、データベース検索といった難解な問題に対して強力な計算能力を発揮する一方、誤り訂正の課題があり、開発が発展途上にある技術です。

(*2)誤り耐性のある汎用量子コンピュータ(FTQC、Fault-Tolerant Quantum Computer)は、多数の量子ビットと高度な誤り訂正技術を必要とし、その実現にはさらなる技術的進展が不可欠です。このため、FTQCの実用化には今後数年から数十年の歳月がかかると見込まれています。現在のゲート式量子コンピュータは、FTQCの実現に向けた基盤として開発が進められており、その先には誤り耐性を備え、多用途で利用できる、さらに高い計算能力を持つ汎用量子コンピュータの実現が期待されています。

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