QUANMATIC

Press Release 2023年07月18日
量子計算効率化アルゴリズムの汎用ソフトウェアQANML(Quantum Algorithms aNd Machine Library)のMVPをリリースしました

「Spin-Variable Reduction:通称ダークスピン法」(*1)を用いて、線形制約つき組合せ最適化問題を少ないスピン数でより正確に解くことを可能に

高度な数学的手法を駆使したアルゴリズム開発を通じて量子技術の早期活用に取り組む株式会社Quanmatic(クオンマティク、本社:東京都新宿区、代表取締役:古賀 純隆、以下Quanmatic社)は、早稲田大学戸川研究室の知財「ダークスピン法」を搭載した量子計算効率化アルゴリズムの汎用ソフトウェアQANML(Quantum Algorithms aNd Machine Library)のMVPをリリースしました


 ダークスピン法とは、線形制約付き組合せ最適化問題の変数の依存関係に着目し、元の問題の最適性を維持したまま使用する変数の個数を削減する手法です。ダークスピン法を取り入れたQANMLを現実問題に適用した結果、使用スピン数に対して線形に増加するスピン数の削減及び解の品質(目的関数値)の向上をいずれのケースにおいても確認することができました。一般化したアルゴリズムを実装しているため、現実世界に存在する線形制約つき組合せ最適化問題に対して、ハードウェアに依存せずに幅広く適用可能であり、数学的手法を用いた量子計算の効率化という世界でも類を見ないプロダクトとなります。

 Quanmatic社では継続して、QANML開発を進め、アルゴリズムの力による量子技術の早期活用を推進します。当面、QANMLはQuanmatic社内利用によりその性能を高め、SaaSによるリリースを目指します。

QANMLの位置づけ

(*1)T. Shirai and N. Togawa,
“Spin-Variable Reduction Method for Handling Linear Equality Constraints in Ising Machines,”
IEEE Transactions on Computers, 2023 (DOI: 10.1109/TC.2023.3239539).

Other News

  • Press Release 2025年07月10日

    ロームとQuanmatic、量子技術導入により半導体製造工程の効率改善に成功

    ローム株式会社と株式会社Quanmaticは、半導体製造のEDS工程に量子技術を導入し、セットアップ時のロスを従来比40%削減することに成功しました。これは、量子技術の大規模半導体工場への本格導入として世界初の事例です。 両社は、Quanmaticの量子・古典ハイブリッド計算技術とロームの製造ノウハウを融合した最適化システムを構築し、2024年にフィリピン工場で導入。2025年には前工程への展開も開始し、浜松工場での実証にも成功しました。 今後は複数工場への展開を目指し、量子技術の社会実装と半導体の安定供給体制の強化に取り組んでいきます。

  • News 2025年05月13日

    CTO田中が、一般社団法人量子フォーラム主催のイベント「グローバル量子トモダチの会」にてスピーカーを務めました

  • News 2025年04月03日

    CTO田中と高柳 慎一様(ボストン コンサルティング グループ)との対談動画「量子アニーリングがビジネスを拓く」(第3回)が公開されました