「混戦の量子研究 FTQCへ大手は全方位戦略 専門家解説」
ビジネス視点で読み解く量子コンピューティング
ゲート型量子コンピューティングは2024年現在、どれほど応用されているだろうか。量子コンピューティングで古典コンピューティングを大幅に超える性能を発揮するには、量子コンピューティングの計算方式に合わせて動作する量子アルゴリズムが必要不可欠だ。この前提を踏まえて、いくつかの分野でゲート型量子コンピューティングの現状を見てみよう。
「ビジネス視点で読み解く量子コンピューティング」では、量子技術をビジネスに生かすための情報を提供します。量子スタートアップQuanmatic(クオンマティク、東京・新宿)で研究開発をリードする戸川望氏と田中宗氏が、基礎知識から最新動向まで幅広い話題を分かりやすく解説します。
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ローム株式会社と株式会社Quanmaticは、半導体製造のEDS工程に量子技術を導入し、セットアップ時のロスを従来比40%削減することに成功しました。これは、量子技術の大規模半導体工場への本格導入として世界初の事例です。 両社は、Quanmaticの量子・古典ハイブリッド計算技術とロームの製造ノウハウを融合した最適化システムを構築し、2024年にフィリピン工場で導入。2025年には前工程への展開も開始し、浜松工場での実証にも成功しました。 今後は複数工場への展開を目指し、量子技術の社会実装と半導体の安定供給体制の強化に取り組んでいきます。